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Viktor.E.Franklを偲んで

 

「生きる意味」を求めて

 

 今日9月2日は,フランクルの命日です。

 

 私にとってフランクルの『夜と霧』は,悲嘆の中にあってなお,それどころか絶望の淵でこそ,人間は自己の「意味」を再構成し,人生の「意味」を見出していくことができるということを教えてくれた人生の書です。  

 

 

 ロゴセラピー(意味中心療法・実存分析)は,オーストリア出身の精神科医・心理学者であり,ナチスによる強制収容所の極限の体験を記した『夜と霧』の著者であるヴィクトール・フランクルが創始した,実存主義的アプローチをとる心理療法です。 

 

「ロゴ」は,ギリシア語で「意味」の意です。人間は実存的に自らの生の意味を追い求めており,その人生の意味が充たされないということが,心理的,精神的な疾患をつくりだすとしています。

                                                                      

 ロゴセラピーでは,辛い状況でどのように考えるかに重きがおかれ,辛い逆境に陥った世界中の人々に「どんな時にも人生には意味がある」という力強いシンプルなメッセージを送り続けてきました。そのため,「逆境の心理学」とも呼ばれます。 

 

 フランクルは強制収容所という極限状況の中でさえ生きることの意味を見失わず,どれほど過酷な状況におかれても,ユーモアをもって「それでも,人生にイエスと言う」という態度をもちつづけました。 

 

 また人間の主要な関心事は,快楽を探すことでも苦痛を軽減することでもなく,「人生の意味を見出すこと」であるとしています。人生の意味を見出している人間は,苦しみにも耐え,希望を見出すことができるのです。      

 

 大阪あべのカウンセリングルームでは,自己の喪失を見つめ,自己の「意味」の再構築を支えます。                                              

 

          ◆Ultimately, man should not ask what the meaning of his life is,  

but rather he must recognize that it is he who is asked. 

 

◆The last of human freedoms.....

         the ability to choose one’s attitude in a given set of circumstances.                            

 

~Viktor E.Frankl~

 

 

そもそも我々が人生の意味を問うてはいけません。

我々は人生に問われている立場であり,我々が人生の答えを出さなければならないのです。  

 

どのような状況になろうとも人間にはひとつだけ自由が残されている。それはどう行動するかだ。 

 

                                         フランクル, 1956,『夜と霧』霜山徳爾訳,みすず書房.