フランスに、「別れは小さな死」ということわざがあります。人生を共に生きてきた愛する人を失うということは、人生の一部、すなわち自己の一部が失われるということであり、大きな悲しみを伴う体験です。
遺された家族が、その悲しみである「悲嘆(GRIEF)」を受けとめていく作業を グリーワーク、そしてグリーフワークを支えていくことをグリーフケアといいます。
愛する人との死別を体験した人は、誰もがこのグリーフワークのプロセスを歩みます。
グリーフワークのプロセスには、年齢や性別、死別した状況、故人との生前の関係性、遺された者のパーソナリティや生活史など個々人によって異なりますが、通常時とともに自然に回復の方向に向かいます。ご遺族はやがて故人のいない環境に適応して、新しい心理的・人間的・社会経済的関係を作っていくことができます。これを正常なグリーフワークとすれば、死別者の10~15%は病的なグリーフワークを経過すると言われています。
また、親やきょうだいを亡くした子供たちもやはり大きな悲しみを抱えますが、悲しみがうまく表現できないために、あるいは大人とは異なる表現であるために、周囲からは「もう大丈夫」と誤解され、適切なケアを受けられないことが多くあります。
子供たちには大人以上にあたたかいケアが必要です。 ▶ 幼い子どもたちへのグリーフケア
ご遺族の悲嘆の歩みを代わってあげることは誰にもできません。その悲しみや苦しみは、遺族の新しい人生のために避けては通れない大切な時間なのです。
メンフィス大学のロバート・A・ニーマイアーは、「悲しむこととは、喪失によって揺らいだ意味世界の再確認、あるいは再構成を必然的にもたらすということである」であり、「愛する人を失ったあとの意味深い人生の変遷に向き合う過程である」としています。
「グリーフケア」とは、まさにこの人間的成長を援助することです。誰にも今ある苦しみの時をかわってもらうことはできません。
それでも十分に悲しみに向き合えば、以前の自分に戻るのではなく、以前とは違う価値観を持ち、成長してより多くの知恵を身につけた新しい自分に出会うことができます。愛する人とは、生前とは違う絆をもって共に生きることができるようになります。
愛する人との尊い別れは、あなたの人生をより豊かに意味深いものにしてくれる大切な経験です。
ご遺族が、自分の体験している感情が当然のものであると理解すること、またその感情を共感をもって受け止められていると感じることは、グリーフワークを経過していく上でとても重要です。
グリーフカウンセリングでは、グリーフワークに伴う情緒をご遺族に開放させ、
正常なグリーフワークのプロセスの遂行を援助します。
大阪あべのカウンセリングルームでは、死別による悲嘆のプロセスにおける援助(グリーフケア)とグリーフカウンセリング、また,医療・福祉・宗教・教育などの分野の専門職向けグリーフケア研修を行っています。
気分障害:
うつ病,双極性障害
不安障害:
パニック障害,広場恐怖,社会不安障害(社会恐怖):SAD,強迫性障害
急性ストレス障害,全般性不安障害(GAD)
発達障害:
自閉スペクトラム症(ASD), 注意欠如・多動症(ADHD), 限局性学習症
その他:
身体症状症,摂食障害,適応障害,自律神経失調症,ストレス,睡眠障害,PTSD(心的外傷後ストレス障害)
聴覚情報処理霜害(APD)
心理療法:
認知療法・認知行動療法(CBT),ロゴセラピー(実存分析,意味中心療法),
グリーフケア,スピリチュアルケア,キリスト教カウンセリング(Christian Counseling)
専門職(対人援助職者)教育・研修:
グリーフケア/スピリチュアル研修,認知行動療法,スーパービジョン,教育分析(自己理解・自己覚知),
ストレスマネジメント,セルフケア,アンガーマネジメント
相談内容:
家族関係,夫婦関係,親子関係,子育て,虐待,ひきこもり,不登校,不眠,摂食障害,希死念慮,自殺企図,
死別,グリーフカウンセリング,グリーフワーク,悲嘆,人生観,死生観,自己理解,ストレス,
休職・復職,転職,就労支援,進路,キャリア,障害者雇用,社会復帰,メンタルヘルス,その他
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